再考 second thought 2004 11 11
「暴落」という言葉を聞くと、
誰もが、株式市場を連想するでしょう。
たとえば、株式市場の暴落が、歴史の教科書にも登場します。
しかし、ここで問題にするのは、
株式市場のことではありません。
暴落で、最も恐いのは、債券相場です。
債券価格の暴落が、最悪なのです。
この暴落は、一度起きると、
株式市場の暴落よりも、はるかに大きなものとなります。
はっきり言って、株式市場の暴落よりも、
債券価格の暴落の方が、経済に与える影響は大きいのです。
こうした債券価格の暴落は、時々、起きていますが、
ほとんど、ニュースになっていません。
これは、マスコミが、経済に詳しくなく、
なおかつ、国民も、経済に詳しくないからです。
これは、ある意味で、幸福なことかもしれない。
たとえば、自分は、5年後に癌で死ぬと、5年間悩み続けるよりも、
5年後の「ある日」、突然、癌で死んだ方が、人生、幸福かもしれない。
財政赤字 budget deficit 2004 10 20
10月19日の共同通信社のニュースには、このような記事がありました。
米連邦債務がほぼ上限に イラク戦響き行政に支障も
(ワシントン19日共同)
国債発行などによる米連邦政府の債務が先週、
いまの法定上限(7兆3840億ドル、約808兆円)に、
あと2500万ドルの水準に達した。
スノー財務長官は「11月中旬には策が尽きる」としており、
政府の新たな借り入れが不可能になれば、
さまざまな支払いや行政機能に支障が出る恐れがある。
債務残高が膨らんだのは、大型減税にイラク関連の巨額支出が重なったため。
Book 2003 7 28
BANKRUPTCY 1995 by Harry E. Figgie, Jr.
1995年合衆国破産
H・フィギー・Jr. 訳者 竹村健一 クレスト社
この本は、日本においては、平成5年4月10日に出版されました。
1995年に起るであろう、財政危機について、書かれた本です。
しかし、1995年の危機は回避されたので、書庫に、本をしまい込みましたが、
イラク戦争後において、イラク駐留経費が、巨額になる見込みとなった現在、
また、この本の出番となりました。
もう、この本は、封印したかったのですが、また、必要となるでしょう。
本の端書きには、こうあります。
「アメリカにおいて、『聖域』と化した福祉予算、
助成金のばらまき、行政機構の肥大化によるコスト増加、
選挙での得票しか頭にない政治家。
これが、今のアメリカが抱える問題である。」
さて、「今」のアメリカは、どうなったでしょうか。
「私たちは文字どおり、借りた金と、借りた時間に頼って、
毎日を過ごしている」
1985年2月20日、ポール・A・ヴォルカー